恋愛預金満期日 ~夏樹名義~
 有美とは実家が近いので、すぐに連絡は取れた。

 私は居酒屋に有美を呼び出した。
 有美は席に座るなり話だした。

「留学どうだった?」

「うん。凄くいい経験だった」

「彼とはどうなった?」

「それが…… 迎えに来なかった……」


「えっ。うそ…… あり得ない……」

「仕方ないよ、他にすきな人出来たんだよ」

「何でそうなるのよ?」


「だって、約束だもん……」

「分かんないじゃん。何か事情があったのかも? とにかく会って話をした方がいいよ」

「でも……」

「だいたい、あんたとは誰も連絡出来ない状況なんだからさ。とにかく確認した方がいいよ」

「うん」


 そうは言っても、平等の約束をしてしまった手前、情けない気も……



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