恋する猫と魔法使い
その瞳には悲しみが映っていた。


『うん。そしたら私は、森の奥にいるといわれる魔女のところで山イチゴをもらってくるわ。一番大切なものを失う代わりに強い魔法が手に入るらしいの。』


その言葉を言った後、メリッサは最後の笑顔を浮かべて次の日、森に入って行った。

操られたような笑顔のままで
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気軽にあんなこと言わなければよかったのに・・・。

あの頃の俺は中途半端な気持ちであんなこと言ったのかもしれない。

そしてその5か月ほどたったころ、ウィンの婚約が公開され俺の耳にも入った。

ウィンをこのまま幸せにするわけにはいかない。

俺はウィンの婚約者を憎む魔女に魔法を売り花嫁に毒林檎を食べさせた。

花嫁は深い眠りにつく。

しかし、魔法には必ず解く方法があるんだ。

花嫁は王子のキスで目を覚ましてしまう。

魔女は怒りを抱えていたが俺は花嫁を恨まない。
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