恋する猫と魔法使い
「見えたよ。キミも“リゲル”見てみる?綺麗だよ。」
アタシはうなずいて彼の覗いていた筒状のものをそっと覗いてみた。
アタシの目に映ったのは青く輝く一番星。
その星を見た途端ナツカのことを思い出しまた涙がこぼれた。
隣にいた彼がアタシの横顔を見てまた驚く。
「どうしたの、また何か悲しいこと思い出した?」
アタシは泣きながら彼に涙の理由を話す。
「ナツカね、幸せそうに笑うことが全くないの。見たことない。笑ったとしても人の不幸を笑うみたく・・・」
彼は腕を組み、“リゲル”を見つめ考えるようにアタシに言う。
「キミはそれを心配してるの?キミの兄ちゃんに何があったのかわからないけどストレスが溜まってるんじゃないかな?」