恋する猫と魔法使い

人間界にはアタシの見たことないもの、アタシが魔法界ではあまり意識して見ていなかったものがあふれている。

それを一つ一つアタシに彼は、楓君は教えてくれる。

多分、ナツカはアタシにこんなに丁寧に教えてくれないだろう。

そして、楓君はナツカとは違って普通の人間なのにアタシを気が付くと笑顔に変えてくれる魔法を持っている。

ナツカはそんなすごい楓くんにアタシを会わせてくれるためにアタシを人間の姿にして人間界へ落としたのだろうか。


――ありがとう。アタシの大切で少し冷たいご主人様


ナツカのところに帰ったらお礼を言わないと・・・。

そんなことを考えながらアタシの隣にいる楓君を見た。


「カンナって呼んでもいい？今、10月だから神無月っていうんだ。10月に出会ったからカンナ。」