恋する猫と魔法使い
ミアさんはゾラ君に似て優しくて上品なイメージなんだ。

ちょっと大きくて小さなアタシは最初、警戒していたけど…

 

 
 
ゾラ君はダリアの花に水やりをしていた。

そして、アタシを見つけるとニコリと微笑む。
 

「ナツカのとこの白猫ちゃん、こんにちは!」
 

アタシはゾラ君に『ニャー』と泣いて返事をした。
 

ゾラ君はしゃがみ込みアタシに視線を合わせ『今日はどうしたの?』と聞いてきた。
 

だけどアタシはゾラ君の問いかけにすら答えられずただ『ニャー』と言うだけ。
ゾラ君は白い上着の左ポケットからトランプのダイヤの“A”を取り出しアタシのおでこに当てる。
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