恋する猫と魔法使い
ゾラ君が窓に描いた絵を綺麗に消し終わるとこちらを向いて言う。
 

「星使いに“もったいない”という感情は必要ないんだ。」

 
そう言ってゾラ君は閉じている窓を開いて外を確認した。

空を見つめ納得したようにうなずき、アタシの方を向いて『白猫ちゃん、外行こうか。』と言って先ほど入ってきた鏡に近くにあった魔法の杖みたいなもので魔法を掛ける。

アタシの先を歩くゾラ君が振り返りアタシに声を掛ける。
 

「もう抜けられるよ、行こ?早くしないと人間界に出す時間になってしまう。」
 

ゾラ君の優しい言葉にうなずき、アタシはゾラ君に駆け寄り鏡を抜けた。
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