恋する猫と魔法使い

――また、あの場所だ。


そんなことを思うとゾラ君が普通にテントの外に出ていく。

アタシも急いでその後をついて行った。

ふと、空を見上げた瞬間。

アタシの目にはナツカの隣では絶対に見られないであろうリツくんの隣で見た時よりも美しい満天の星空が浮かんでいた。
　

「綺麗・・・。」
　

そんな言葉が気が付くと飛び出していた。

隣にいるゾラ君が自慢げに『そうでしょ？』と言い星使いになった理由をアタシに話す。
　

「俺、人間の時見た星空に一目惚れしたんだ。それで俺、天国ってところに行く途中、星使いになってもっと沢山の人間にあの綺麗な星空を見せたいと思ってこの世界を見つけたんだ。すべての人間がこの世界に来られるわけではない。もちろん、天国から『帰って来い』とは言われてるんだけど無視してる。」