恋する猫と魔法使い


【ゾラ】


この白猫ちゃんだけは、なんとしてでも守らなければならない。

今回の戦いはただの魔法使い同士の考えの違いによる喧嘩と言っても長く続く気がした。

ナツカが闇に落ちかけているからだ。

ナツカに何があったのかわからないが白猫ちゃんの来た時の様子を思い出せばナツカはしばらく動かないだろう。

ナツカは、二重人格なんだ。

ナツカのもう一つの名前は“ルキア”。

ルキアはルカさんよりも大きな力、魔法使い界を一瞬で滅ぼす力を持っている。

ルキアが目覚めるともう何もかもが終わりになってしまう。

ルキアは相当な動物嫌いだった。

ナツカが使い魔を持たないのも、ルキアが目を覚ました時、使い魔を見て不機嫌にならないように。

だが、ナツカは最近白猫ちゃんと共に暮らし始めた。

それを見た瞬間、俺の心は恐怖を感じたんだ。

今、ナツカのところに行ってはいけない。

俺はあるカードに埋め込んである“ペリドット”の石に触れる。
< 62 / 71 >
表紙・目次

この作品をシェア

pagetop