恋する猫と魔法使い
「ゾラくん、何も考えないで突っ走ることよくあるから。だから私、魔法使い界回って地図つくってきた。ナツ君がいるのはココ。最短ルートはこれ。」
ミアは放棄に又借ったまま、魔女のように長くのばされた爪で地図を指す。
俺はミアに置いて行かれないように走りながら軽く相槌をして微笑んで見せたが、ミアは俺と目を合わせようとせず、プイッと顔を背けてため息をこぼす。
「ゾラくんって、本当に走るのが遅いわよね。星使いだったらもっと早く走ることできないわけ?光の速さみたいに。」
ミアは星使いのことなどなにもわかっていない。俺はミアの言葉に溜息を吐いて返した。
「仕方ないだろう?俺の速度を上げることによって星の光が地上に届くのが遅くなるんだよ。」
そう、星使いのスピードと星の光の速さは反対なんだ。
もし、星の光が地上に届かなくなってしまったとしたら、宇宙はなくなってしまう。
そのことをミアにも早く理解してほしい。
俺がそんなことをひとり考えてるとミアが先に行ってしまい姿が見えなくなっていた。
「ほんっとうにミアは俺に対して冷たいんだから。」