朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


ガタガタと震えながら、目を閉じて神への祈りを呟く。けれど声は震え、歯がカチカチと鳴るばかりでまともな言葉にならない。

私、このまま狼に食べられて死んでしまうのかしら──。

もう終わりだ。ボートレイト伯爵にしがみついて目を閉じていると、突然人の声がした。


「誰の馬車を襲っているかわかっているのか!命知らずな獣どもめ」


なに? なんなの?
恐る恐る目を開け、顔を上げる。やっと見えた視界の端に、ひらりと翻る白いマントが見えた。


「あ、あ、あれは……」


前で同じように震えていたボートレイト伯爵が声を絞り出す。

体を離して周りを見る。アミルカのものとは違う黒い軍服を着た男たちが銃を何発も撃ち込む。銃声が響き、驚いた鳥たちが一斉に羽ばたく音で、辺りは一層騒がしくなった。

その中でもひときわ目立つ、白い軍服を着た男が一人。彼は白いマントをなびかせ、軽やかに剣を振るう。

太陽の光を吸収したかのような輝く金髪。しなやかに伸びた長い手足。ずいぶん若そう。彼はいったい、誰?

狼たちは銃声にびっくりしたのか、怯えた様子で退散していった。

強張っていた身体から力が抜け、ぺたりとその場に座り込んでしまった。



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