朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
5.お花を摘みに
夜になり、夕食会に呼ばれてしまったので仕方なくエドガーの隣の席につく。だけど、彼の顔は見られなかった。
今日はこの前の朝食会より人数が少ない。覚えきってないけど、多分王族だけなんだろう。王族と言っても濃い親戚から末端までいるけど、今日はその中でも偉そうなおじさんたちばかり。
「陛下、先日の事件の真相はわかりましたか」
ある黒髪の紳士が口を開いた。
「まだ調査中です」
エドガーはそう答えた。この中に暗殺未遂犯がいるかもしれない。彼が死んだら王位を継げそうな関係の人ばかりだもの。そう思うと、もともとない食欲がもっとなくなっていく。
「結婚の儀は予定通り行われるのですよね」
「ええ、もちろん」
「警備を万全にしておかなくてはなりませんな」
おじさんたちが真剣な顔で相談を始めると、ラッセルがのん気な顔で言った。
「犯人も結婚の儀には手を出せないだろ。国中の人間が集まるんだから。それだけ目撃者も多くなる」
そうか……そんなものなのかしら。
「儀式が行われる聖堂の中、二人が通る通路は結構広い。刺客が狙おうとしても、誰かが気づいて止めるだろ。あそこは頭の上から落ちてくるようなものもない」
「それはそうだが……」
渋い顔のおじさんが反論しようとしたのを、エドガーが制した。