朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「警備は万全にしておくに越したことはありません。国民の命もかかっていますから、そこは予定より手厚くします」
国王がそう決めたのなら、反論するものはいない。おじさんたちは満足げにうなずき、ラッセルは眉を下げて苦笑した。
「そりゃそうだけど、みんな深刻になりすぎじゃね?」
彼の声に答える者はいなかった。その後も会議のような食事会は続く。最後のお茶だけはなんとか飲み、やっと解散となるとほっと安堵のため息が出た。
最初に部屋を出た私とエドガー。ドアが閉まると同時に、エドガーが口を開く。
「どうかしたのか、ミリィ。食事にほとんど手を付けていなかったじゃないか」
いたわるような口調に、胸が痛くなる。
「ちょっと、食欲がなくて」
「おやつを食べすぎたか」
そんな、小さな子供じゃないんだから。うつむいたままでいると、大きな手が頭を撫でた。感触でそれがわかった。
「何かあったなら話せ。聞いてやるから」
何それ。なんでそんな上から目線なの。そんな風に言ってくれなくていい。私はそんなに心配してもらえるような婚約者じゃないよ。
「ありがとう。大丈夫よ」
なんとか作り笑いをエドガーに向ける。彼はとっても腑に落ちないといった渋い顔をしていた。