朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
この人に偶然会ったら聞こうと思ってたことがあるんだった。私は無言でラッセルの腕をつかみ、廊下の突き当りにある図書室へ連れ込んだ。
「積極的だな。そんなに俺と二人きりになりたかったのか?」
薄暗い図書室に場違いな声が響く。そんなわけないでしょ。即刻そばにあったランプに火を入れ、その場を明るくしてやった。一度ルーシアと来ておいて良かったわ。
「ええ、聞きたいことがあるの」
「へえ。いったい何を?」
「舞踏会の日、シャンデリアを落としたのはあなた?」
単刀直入に聞くと、ラッセルは目をぱちくりした。そのあと、ぷっとふきだす。
「そんなわけないだろ。俺はお姫様が気に入ってるんだ。あれだと、兄だけじゃなくてお姫様までひき肉になっちまう。そんなことはしない」
そう言えば、前にこの人私のことが気に入ってるって言ってたっけ。それ、本気なの?
じとっとにらむと、ラッセルは意地悪そうな笑みを浮かべたまま言う。
「そういえばお姫様の暗殺計画はどうなったんだ? もう諦めたのか?」
逆に切り返されて、言葉に詰まってしまう。今一番触られたくないところを触られてしまった。
「……どうしたらいいのかわからなくなっちゃった」
エドガーは敵国の王。お母様のために、今すぐにでも殺さなければならない相手。でも私は、それを躊躇している。