朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


この人に偶然会ったら聞こうと思ってたことがあるんだった。私は無言でラッセルの腕をつかみ、廊下の突き当りにある図書室へ連れ込んだ。


「積極的だな。そんなに俺と二人きりになりたかったのか?」


薄暗い図書室に場違いな声が響く。そんなわけないでしょ。即刻そばにあったランプに火を入れ、その場を明るくしてやった。一度ルーシアと来ておいて良かったわ。


「ええ、聞きたいことがあるの」

「へえ。いったい何を?」

「舞踏会の日、シャンデリアを落としたのはあなた?」


単刀直入に聞くと、ラッセルは目をぱちくりした。そのあと、ぷっとふきだす。


「そんなわけないだろ。俺はお姫様が気に入ってるんだ。あれだと、兄だけじゃなくてお姫様までひき肉になっちまう。そんなことはしない」


そう言えば、前にこの人私のことが気に入ってるって言ってたっけ。それ、本気なの?

じとっとにらむと、ラッセルは意地悪そうな笑みを浮かべたまま言う。


「そういえばお姫様の暗殺計画はどうなったんだ? もう諦めたのか?」


逆に切り返されて、言葉に詰まってしまう。今一番触られたくないところを触られてしまった。


「……どうしたらいいのかわからなくなっちゃった」


エドガーは敵国の王。お母様のために、今すぐにでも殺さなければならない相手。でも私は、それを躊躇している。


< 115 / 230 >

この作品をシェア

pagetop