朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「ご無事ですか、王女」
顔を上げると、金髪の男の人が私に手を差し出していた。近くで見ると、驚くほど整った顔をしている。きりっと目じりの上がった目。瞳は青く透き通っている。
白い軍服の襟や袖は黒い布でできており、胸から肩に付けられた金色の飾りがきらめく。なんて美しい人だろう。まるで彼自身が全身から光を放っているみたい。
「ミリィさま、お返事なさいませ!」
ボーっと見惚れていると、焦った顔のボートレイト伯爵に叱られた。
「ぶ、無事です」
やっと返事をすると、男の人はホッとしたように眉を下げた。しかしそれは一瞬で、すぐにきりりとした顔に戻る。
「それは良かった。お迎えにあがりました。どうぞお手を」
彼の手を取り、立ち上がる。周りを見ると、御者も馬も兵士も少し怪我はしているものの、命に別状はなさそうだった。
「助けてくださり、ありがとうございます。ええと、あなたは……」
彼らの軍服には見覚えがある。シャイレンドルフの兵隊が同じような格好をしていた。すぐそこは彼らの国だ。身の回りの世話をする女性だけでなく、兵士が迎えに来てくれたとしても不思議はない。