朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「ああ、名乗りが遅くなって申し訳ない。私はエドガーと申します」
エドガー。どこかで聞いたことのあるお名前……。考えていると、伯爵に背中を叩かれた。
「ミリィ様、何をぼんやりしておられるのです! このお方はシャイレンドルフの国王陛下。あなたの伴侶になるお方ですぞ!」
シャイレンドルフの国王、エドガー。こ、この人が……!
「そろそろお着きになる頃かと思って。迎えに来たら狼が不穏な動きをしていたんだ。花のようなあなたから、良い匂いでもしていたのかもしれないな。とにかく間に合って良かった」
冗談まで交えて爽やかに微笑むエドガー王。この人が、敵国の王様なの?
想像では体が2メートル以上あって、ヒゲもじゃもじゃのでっぷりしたおじさんをイメージしていたんだけど、全然違った。とても身軽で、無駄な動きがない。
狼に向かっていく勇敢な姿を思い出すと、膝が崩れ落ちそうだった。
無理じゃない。お母さま、こんな強い人を私が殺すですって? ただのケンカでも勝てる気がしない……。
「どうしました。顔色が悪いみたいだ」
じっと顔をのぞきこまれる。彼の金髪と青い瞳が美しすぎて、自分の淡いピンク色の髪や赤っぽいブラウンの瞳が恥ずかしくなる。
「いいいいいいえ、だだだだ大丈夫、ですっ」
とにかく、こちらも挨拶をしなければ。ドレスの裾をつまんでお辞儀しようとした、そのとき気づいた。私、下着姿だった……!