朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
自分の腰に巻かれたロープの意味がやっとわかり、脳がくらりと揺れた。
「あんなところにあるの無理よう。どうしてお庭で育てないの」
「もちろん、花粉や種子を採取して他の場所でも育たないかという研究はかなり昔からされています。しかし今のところ、ここ以外で根付いていません」
そんなあ。岩の上にしか咲かない花ってなによ。花としておかしいんじゃないの。
「ごめん……センテム、代わりに取りにいってくれない?」
ずるをしたって、ここにはセンテムしかいないわけだし。彼が黙っていてくれればそれでいいのよ。そう思って頼むけど、センテムは真面目な顔で首を振った。
「なぜフェロミアが結婚の儀の前に王妃候補に採取されるしきたりになっているかご存知ですか」
「い、いいえ」
そもそもフェロミアの存在を知ったのも今日なんだから、そんな言い伝え知るわけないじゃない。
「王妃候補が自ら採取したフェロミアの蜜を口にした王の代は国の繁栄が約束されるという言い伝えがあるからです」
「知らないし。そんなのただの言い伝えでしょ」
「しかし代々、王妃候補はみなあの花を自分で……陛下のお母様もそうです」
エドガーのお母様も。それを聞くと心が揺らぐ。