朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


本当はとっくに答えが出ていたのかもしれない。エドガーに惹かれながら、でも悪者になりたくなくてお母様のことを言い訳にしてずっと逃げていたんだ。

ボートレイト伯爵は無茶苦茶怒るかもしれないけど、帰ったらちゃんと言おう。私はエドガ―の花嫁になりますって。戦争ではなく、他の形でアミルカの幸福を願うわ。


「王女様―! 引き上げますよー!」


もしまた不審者が現れたら大変。ひとりだからなんとか対処できたけど、何人も束になってこられたら万事休すだ。

ドレスの胸の部分を開け、フェロミアの茎を乳房の谷間に刺す。両手でロープを握って足を岩に付け、崖を登る。


「んぎぎぎ~」


上でセンテムが引っ張ってくれているとはいえ、極限までぶるぶるした腕で崖の上まで上がるのはとんでもなく過酷。もう無理かもと思いながら、必死で手足を動かす。


「よし!」


とうとう崖の上に手をかけた。センテムが手首をつかんで、一気に引き上げてくれる。センテムの胸に飛び込むような姿勢で、崖の上に倒れ込んだ。


「はあ、はあ。あ、お花……良かった、潰れなかった~」

「お疲れ様です、王女様。お見事でした」


センテムは私から縄をほどき、馬の腰につけておいた荷物からガラスの花瓶を取りだす。それには水が入っていて、花がすぐに枯れないように考慮されていた。


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