朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
花瓶を倒れないように木の箱に入れて蓋を閉めると、ふーっと深いため息が二つ聞こえた。ひとつはもちろん私のもので、もうひとつはセンテムだった。
「危なかったわね……あいつ、いったい何なの?」
センテムが銃で撃った敵は、仰向けに倒れていてぴくりとも動かない。死んでしまったのだろうか。怖くて、近くで見る勇気はなかった。
「わかりません。本当は身元を詳しく調べたいところですが、ここはとにかく早急に宮殿に戻りましょう」
「そうね。変な人がたくさん来ても困るし」
センテムは私の身体についた砂を軽く払い落とすと、軽々と担いで馬に乗せる。そして、怖い顔で私を見つめた。眉間にシワが寄っている。
「王女様、あなたの命が狙われているかもしれません。この男は、わざわざあなたと私の二人きりのときを狙ってきた」
センテムの言葉にハッとする。そう言われれば。ずっと暗殺される危険があるのはエドガーだけだと思っていたけど、もしかしてあのシャンデリア事件は私も狙われていた?
「シャイレンドルフの人が、私を憎んでいるのね。敵国の王女だったから」
倒れていた敵の顔を見つめる。中年の男性だ。もしかしたら、戦争で家族を失ったりしたのかな。
「ただあなたの存在が邪魔な人間の仕業かもしれません」
「え? それって……」