朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
6.寂しくないよ
急いで宮殿に帰る間は、襲われたりしなかった。狙撃されたりしたらどうしようと思ったけど、心配のしすぎだったみたい。
門をくぐり広い庭園を抜け、宮殿に近づく。先に降りたセンテムに手を貸してもらい、地上に降り立つ。
「お腹が空いた~」
朝から出かけたけど、往復で二時間超。フェロミアを摘むのにも時間がかかったから、余裕でいつもの昼食の時間を過ぎてしまっている。
「ルーシアが昼食を用意しているはずで……ん?」
大事にフェロミアの入った箱を持ったままセンテムと話していると、宮殿から親衛隊のメンバーが十人ほどぞろぞろと出てきた。
「何かあったの?」
彼らはいつも腰に差している剣を手に持っていた。まるで今から決闘に行くかのような格好だ。
彼らは険しい顔をしてこちらに近づいてきた。かと思うと、なぜか私とセンテムの周りをぐるりと囲む。なにこれ、どうして? まるで私とセンテムが悪いことをしたみたいじゃない。
「どういうことだ。説明しろ」
センテムは眉間にシワをよせて部下たちに問う。
「王女様、あなたに国王暗殺予備罪の嫌疑がかけられております」
「へ?」
突然言われた言葉に耳を疑う。国王暗殺予備罪? つまり、国王を暗殺する準備をしていた罪ってことよね。たらりと冷汗が背中をつたっていく。指先が縮むような感覚を覚える。