朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「何を馬鹿なことを。お前たち、気は確かか」
センテムに言われるけど、親衛隊はそれ以上のことを語らなかった。その代りに、彼らの後ろから見覚えのある人影が近づく。
「あなたは……」
その人は、財務大臣のオーケンだった。朝食会で挨拶をしたことがある。ちょっとてっぺんが薄くなった白髪に、丸い顔、垂れ下がった頬。
「私が見つけたのですぞ、王女」
「見つけたって、何を?」
そう尋ねる声が震えた。頭の中には、ボートレイト伯爵に渡された新型毒薬の瓶が浮かんでいた。まさか、あれが見つかったんじゃあ……。
今日は外に出るからなくしたら困ると思って、みんなの目を盗んで下着類の中に隠してきたはずだけど。
「あなたの執事が、ナイフを持って王を亡き者にしようと狙っていたのを、です」
「なんですって」
心臓が跳ねあがる。どうしてボートレイト伯爵がそんなことを。
「あなたには執事の監督責任がある。いや、それだけじゃない。執事と一緒に国王の暗殺を企てていたに違いない」
オーケンはびしっと私を指さして、高らかに言った。
「無礼者。手を下ろせ」
センテムがすごむけど、オーケンが委縮する気配はない。