朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「悪いが、これ以上執事を庇うことはできない。オーケンはあらゆる場所でこの件をしゃべっていることだろう。国元に帰すのが精いっぱいだ」
「ありがとう。それだけでもじゅうぶんよ」
さっきオーケンに言っていたとおり、おじいちゃんのやったことだから許してあげようって皆に話してくれるのね。本当だったら国王を暗殺未遂なんてしたら、その場で打ち首になってもおかしくない。無傷でアミルカに帰れるなんて、これほど寛大な処置はない。ただ、認知力低下でわけがわからなくなるくらいのおじいちゃんと言われることは、伯爵は望んでいないだろうけど。
「いったいどうしてあの執事はこんなことをやらかしてしまったんだ。これじゃお前が疑われるのも当然だ」
エドガーは苛立ちを隠せない声で言った。腕組みをしたまま、眉間にシワを寄せている。
「それは……」
きっと伯爵は、私がまごまごしているから自分でやらなきゃと思ったんだろう。お母様のために。私に本気で暗殺をする気がないのを見抜いたのかもしれない。
「……まあ、結局あの執事も元は敵国の王に仕えていた人物だものな。俺を憎んでいたって仕方がない。理由を問うだけ無駄か」
エドガーは目を伏せ、自嘲するように言った。