朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
早速布をルーシアに預け、湯船に入る。泡が揺れ、花弁が踊る。
「綺麗になれそうな気がする」
「王女様はもう十分お綺麗ですよ。そうそう、このお花、国王陛下が用意してくださったんですよ」
「えっ? エドガーが?」
浴槽一面に浮かぶ色鮮やかな花びら。これはもしや……。
「秘密の温室の花?」
「みたいです」
「へええ」
エドガー自ら育てた花の花弁。そう思うと一層美しく、香りも強くなるような気がする。
夢じゃないんだなあ……。私、本当にあのエドガーの妻になるんだ。この国の王妃になる。
そう考えると、鼓動が早くなった。胸がときめくって、こういうことを言うのかしら。
ゆっくり体と髪を洗い、しばらく浴槽に浸かっていると、ルーシアが布を持ってきた。
「王女様、そろそろ上がらないとふやけてしまいますよ」
私、そんなに長い間浸かっていたのかしら。気持ちよくて、ずっとこのままでいたいような気がしていたけど、たしかにお湯が冷めてきたような気がする。
「はい、上がりますよ……」
ざぶっと音を立てて立ち上がる。体のあちこちに花弁が張りついてきた。一度綺麗なお湯で流した方が良いわね。そう思っていると。
「ん?」
カサカサと言う音が聞こえたような気がして振り向く。変ねえ、こんな湿っぽい場所で何がカサカサいうのかしら、って……。