朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「ちっ」
彼は舌打ちすると腰に付けていた短剣を抜いた。吊り上げた目で蜘蛛を狙い、勢いよく投げつける。ヒュッと空を切る音がしたと思ったら、次の瞬間には蜘蛛のお腹の真ん中にそれは突き刺さっていた。大理石に食い込んだ剣先に縫い止められてしまったような蜘蛛は、まだバタバタと太い足を動かしている。
「うええええ」
気持ち悪い! 見ていられなくて、顔を手で覆った。まったく、どうしてこんなに蜘蛛がいるのよ。どこから紛れ込んだの。
「……処理したぞ。もう目を開けて大丈夫だ」
エドガーの声がして、おそるおそる目を開ける。蜘蛛はもう床にいなかった。その代りルーシアが真っ青な顔でゴミ箱を持って走り去っていく。
「はあ、良かった。ありがとう」
どうなることかと思ったわ。安堵のため息をつくと、視界が暗くなった。何かと見上げると、エドガーがすぐキスできそうなくらいそばに迫ってきている。
「とても良い眺めだが、とりあえず体を拭け」
良い眺め? さっきまで険しい顔をしていたエドガーが、にやにや笑って私を見下ろしている。一緒に視線を下げると、とんでもないことに気が付いた。私、裸だった!
「きゃあああっ、出てって! 出てってよ!」
「お前が助けを呼ぶから来てやったんじゃないか」