朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


いそいで体を拭いているうちにルーシアが戻ってきた。手を貸してもらってドレスを身に付けながらため息が出た。

そんなこと考えている場合じゃないわよね。いったいどうして毒蜘蛛が浴場に入り込んだりしていたのか、そっちの方が問題だわ。

毒蜘蛛が人間が住んでいるところに平気で現れるなんて。まるで誰かがわざと放したみたいに……。そこまで考えて、ハッとした。アミルカで、エドガーの暗殺方法について考えているとき、毒を持った生物を標的に向けて放つというやり方もあった気がする。

もしかして、私はまた誰かに狙われたの? フェロミアを採りにいった、あのときみたいに。

そう考えると急に恐ろしくなって、ますます着替えを急いだ。髪も乾かさないまま脱衣所を出ると、さっきまで平気な顔をしていたエドガーが、眉根をよせた険しい横顔で背中を壁にくっつけていた。

きっと私と同じことを考えているんだろう。そんな気がした。

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