朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
体の隅々まで手入れをされて全ての準備が終わって解放された頃には、もう日が暮れていた。
花嫁って大変なのね……。逆に疲れが顔に出ちゃいそう。もう寝よう。ベッドにぼふっと倒れ込んだとき、コンコンとノックの音が。もう、誰よこんなときに。
「はーい、どなたー?」
まだ準備しなきゃいけないことがあったかしら……。明日の段取りも嫌と言うほど叩き込まれたけど……。
返事をしたけれど、まぶたが下がってくる。昨日は伯爵の件でほとんど眠れなかったし、まだ暗いうちから起きていたから眠くてしょうがない。
「俺をドアの前で待たせるとは、いい度胸だな」
低い悪魔のような声が聞こえてきて、眠気が吹っ飛んだ。エドガーだ。早く開けなきゃ。
跳び起きてドアを開ける。それだけで息が切れそう。エドガーは怖いセリフほど怒った顔はしていなかった。
「入るぞ」
エドガーはすっと私の部屋に入ってきて、すぐにドアを閉めた。
「聞きたいことがあるんだが」
怒ってはいないけど、真剣な顔をしている。笑顔じゃないことが私の胸を波立たせる。
「昨日の昼、誰かに襲われたんだって? さっきセンテムに聞いて驚いた」
そういえば言うの忘れてたっけ。ボートレイト伯爵のことで記憶から押し出されちゃってた。今日はエドガーがずっと公務だったから、センテムもなかなか話をする機会がなかったのね。