朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
普通は出来ないわよね。馬とか犬なら気持ちが通じそうだけど、蜘蛛はちょっと……ねえ。感情も見えないし、あんな小さな体で人の言うことが理解できるのかしら。おえ。想像してたら気持ち悪くなってきちゃった。
「結論。お前は誰かに狙われている。もしかしたらあのシャンデリアも、俺じゃなくてお前を狙ったものだったかもしれない。犯人は俺が気づいて一人で逃げると思ったんだろう」
「えっ、あれも!?」
「推測だがな。あんな派手な場所で俺たちが襲われたのは、この結婚が不吉なものだと周りにアピールしようという犯人の狙いがあったからだと思わないか?」
早口で言われても、なかなか頭がついてこない。ええと、とにかく、どこかに私とエドガーの結婚を良く思っていない人がいるかもということね。私のことを殺してでも阻止したいくらい。
「犯人に心当たり、あるの?」
「ありすぎてわからん」
「ですよね……」
センテムが、自分の娘をエドガーのお嫁さんにしたかった偉い人たちが何人もいた、みたいなこと言ってたもの。
「そういえば、舞踏会にいた、ピンクのドレスのひと覚えてる? こんな赤いリボンが胸についてて、髪が茶色い綺麗なひと」
身振り手振りで説明するけど、エドガーは首をかしげる。