朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「ではただいまより、シャイレンドルフ国王エドガー陛下、並びにアミルカ王女ミリィ様の結婚の儀を執り行います」
神官の合図で、私たちの前にティアラが運ばれてくる。それはエドガーがかぶっている物より一回り小さく、華奢で白っぽい色をしている。金に銀を混ぜたような。様々な宝石を散りばめられたそれは、ステンドグラスを透過した日の光を反射し、きらきらと輝いていた。
「王妃の証を、ミリィ王女に」
そう言われて膝を曲げる。頭を低く下げると、エドガーが私のベールを顔の上に上げ、後ろに返す。そして白金のティアラをそっと私の頭の上に載せた。軽やかそうな見た目よりもずっと重い。それでもぐっと背中と首を真っ直ぐに伸ばすと、二人で神官に向き直る。
「天におわします我らが神よ……」
うんたらかんたらと神官が神への祈りの言葉を唱え始める。誰も言葉を発さず、真剣にその言葉を聞いているようだった。
「では、国花をこれへ」
祈りの言葉のあと、長い説教が終わってやっとフェロミアの出番。私が摘んできたフェロミアは、水を張ったガラスの美しい器に入れられて現れた。まだみずみずしい花弁を持つそれを、エドガーが摘み上げる。私はそこへ手を添えた。