朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


二人でゆっくりと説教台の右奥にある神への贈り物をどっさり乗せた祭壇へ歩みを進める。そこに金色の平べったいお皿があった。上には水を含ませた土と草で作った四角い塊が乗っている。

二人で協力し、そこへフェロミアの茎を刺す。参列者からも見えるようにフェロミアが固定されると、一歩後退して祭壇に頭を下げた。


「これで、お二人の治世の繁栄は約束されました」


神官の言葉で盛大な拍手が巻き起こる。私たちは説教台の横に移動した。結婚宣誓書にサインし、神官の前に戻る。


「陛下、王妃に誓いのキスを」


さっきの長い説教の中で、二人は調子の良いときも苦境に立たされた時も、お互いを愛して幸せに暮らしなさいよというくだりがあったっけ。つまり、そうやって頑張りますっていう誓いのキスね。

ゆっくりと向かいあう。恥ずかしがっている場合じゃないけど、こんなにたくさんの人がいる目の前でキスをするのはとてつもなく照れくさい。

けれど覚悟を決めてまぶたを閉じ、あごを上に上げる。すると、エドガーの両手が私の肩を優しくつかんだ。そっと温かい唇が触れる。温かい何かが胸に流れ込んでくるみたい。

これで、あなたの妻になれるのね、エドガー。もう意地を張ったりしなくていい。素直に甘えていいんだよね。


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