朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


よそ見をしていたら、急に体が床に引っ張られてビックリした。自分でドレスを踏んでつんのめったのだと気づいた時には、さっと目の前に長い腕が差し出された。


「きゃあっ」


床に沈没する前に、エドガーが抱きとめてくれる。良かった、助かった。ホッと胸をなでおろすと、あちこちから笑いが起きた。


「なんて可愛らしい花嫁さんでしょう」

「ええ、まだ少女のようですね」


……子供扱いされてる……。


「バカ。最後まで気を抜くなよ」


人生で一番輝く日のはずなのに、エドガーにダメ出しされてしまった。恥ずかしさで泣きそうになりながら、なんとか最後まで歩ききる。

ぎいいと外から扉が開けられ、一礼してその場を去る。会場を出ると侍女たちがささっと集まり、長いトレーンを持ち上げた。扉に挟まらないようにするためだろう。

バタンと背後で扉が閉まる。その瞬間、崩れ落ちそうになった。


「うわああ~、やっちゃったよ~」


転びそうになるなんて。みんなにおっちょこちょいなやつだと思われたに違いない。間違いないけど。


「よそ見してるからだ、バカ」


エドガーに背中をパンと叩かれる。たしかにそうでした。集中力のない自分が悪かった……。


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