朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
宮殿の中を通って、噴水庭園の正面にある建物へ。階段を上がって宮殿で一番大きなバルコニーの手前の広間で、もう外のざわめきが聞こえてきた。
ちなみに式の参列者たちはここで食事の予定。もう少ししたらゆっくり来るだろう。広間の中には壁際にテーブルが置かれ、何種類もの料理やお酒が運ばれてくる。それぞれ好きなものを取って自由に食べられる立食形式になっていた。
「開けますよ、陛下」
センテムがバルコニーに続く扉の取っ手に手をかけるエドガーがうなずくと、ゆっくりとそれは開かれた。
エドガーにエスコートされ、バルコニーに出る。そこは意外に広く、私たちが座るための椅子や日よけの傘や飲み物が並べられていた。
並んでバルコニーに出ると、足元から拍手と歓声が沸き起こる。
「わあ……!」
入口が見えないくらいだだっ広い庭園の中に国民が所狭しと立ってこちらを見ている。
「国王陛下万歳!」
「王妃様万歳!」
国民は興奮した様子で、こちらに手を振る。宮殿が揺れそうなほどの熱気が伝わってきた。
「ミリィ、手を振れ」
エドガーが優雅に手を振る。それを真似して笑顔で手を振ると、わああっと一際大きな歓声が上がった。