朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「本当はあの噴水から果実酒を流してやろうかと思ったんだが、衛生面の問題もあるし、何者かが毒を入れるといけないからやめた」
「ほんと、冗談はそれくらいにして……」
思い切り力を入れていた全身から脱力する。最近嫌な事件が多いものね、そういう心配もわかるけど。そもそも噴水からお酒を出すのは変よ。しかも果実酒は石に色がつくからやめましょう。
「はは。さすがの俺も浮かれているらしい」
バルコニーにもたれかかるようにして国民の様子を見ていたエドガーが、こちらを見て微笑む。なにそれ、私と結婚できて嬉しいってことだと思っていいの? 破壊力抜群な笑顔に見惚れていると、背後から声をかけられた。
「両陛下、おかけになってください。来賓の皆様がおいでです」
どうやら各国のお客様が挨拶に来てくれているみたい。私たちは並んで座り、お客さまの相手をする。それがひと段落したら王族や大臣たちの祝辞の嵐で、のんびりする暇はまったくない。
エドガーなんてお酒に弱い私の代わりにお客様のお酌を全部受けて、かなり飲んでいるみたい。だけど表情は涼しいまま。毒に強いついでに、お酒にも強いのかも。