朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
たしかに。この二人、意外と気があうのかも。つられて私もふきだした。
「ねえ、こんな日にケンカなんてよしましょう。いきなりは無理かもしれないけど、きっと私たち良い家族になれるわ」
お酒のおかげか、ラッセルの本心が聞けたような気がする。あなたはきっと、エドガーに劣等感を抱いてきたのね。王位を継承できなかったことをお母様に申し訳なく思って悩んだこともあるでしょう。
私だってこんなに美しくて、文武両道の兄がいたらきっとやさぐれてたわ。完璧じゃないもの、あなたの気持ちがわかるわ、ラッセル。暗殺に手を貸すなんて言ったのも、半分本心じゃなかったと信じるわ。
私たちきっと、みんな寂しかっただけなのよ。誰かを恨んだりして、それを誤魔化したかっただけ。きっとエドガーだって、そう気づいてるはず。
「あーあ、エドガーはいいよな! こんな可愛い奥さんもらってさ~」
私の言葉にうなずかず、ラッセルはそっぽを向いてしまう。
「幸せになれよ、お姫様。俺も他で可愛い奥さん探すわ」
「ラッセル……」
背中を向けていた彼が、くるりと振り向く。
「けどまたエドガーを殺したくなるほど憎むことがあったら、そのときは俺のところに来いよ、な」
可愛くウインクをしてみせる。ちょっと。セリフが物騒すぎるわよ。