朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「ありがとう」
今さら隠すこともないので、エドガーの目の前で立ったまま手紙を開く。そこには神経質そうな年寄りくさい文字が並んでいた。
「ボートレイト伯爵からだわ」
結婚の儀の前日に別れた日のことを思い出す。歳の割にはしゃきっとしてオシャレだったのに、あの日は今にも死んでしまいそうなくらいしおれていたっけ。
「ええと……前略、シャイレンドルフ王妃・ミリィ様……」
懐かしいアミルカの文字。伯爵からの手紙は、お母様の容態についての内容が大半を占めていた。
シャイレンドルフのお医者様があれこれ手を尽くし、アミルカにはない薬を投与してくれたりして、お母様の状態は一時期より良くなり、今は呼吸も意識も安定しているみたい。
これからも投薬を続け、少しずつ固形の食事に戻していけば体力が戻るだろうということ。震えて動きにくくなってしまった手足は、体力が戻ってから動かす訓練をしていくみたい。長期戦になるだろうけど、うまくいけば最低限の生活に必要な動きはできるようになるだろうということだった。
「良かった……。あなたのおかげよ、エドガー。伯爵もそう書いているわ」
ホッとしたら涙腺が緩んだ。祖国の人々がお母様の回復を喜ぶ姿が目に浮かぶようだった。
「他には何か書いてあるか?」
「えっと……まあ」