朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


後半はあまり良くないことが書かれていた。私たちの結婚の儀に合わせてシャイレンドルフに潜入していたアミルカの兵士たちが行方不明だという。

病気が良くなってきたお母様が、ひとまず兵士を引き揚げようと使いを出したけど、誰も帰ってこないみたい。
このことはエドガー意外には秘密なので、読み上げずに手紙の現物を渡す。エドガーはさっと目を通し、渋い顔をした。


「このことをすっかり忘れていた」


事が事だけに、自分の部下に話して調査させることもできないものね。どうしたものか……。ざわざわと胸に波が立つ。なんだか嫌なことが起きそうな予感がする。何の根拠もない、ただの予感だけど。


「そうだミリィ、良い場所に案内してやる」

「え?」


いきなりなんだろう。全く人がいない場所で話がしたいなら、寝室でもいいはずだけど。キョトンとする私の手をエドガーが取る。


「陛下、どちらへ?」


センテムの問いかけに、エドガーはにっと笑って答える。


「俺の秘密の場所だよ。昔お前も一度入れてやったことがあっただろ」

「ああ……了解しました」


私は全然了解してないんだけど。エドガーの秘密の場所と言えば、まだ入れてもらったことのない温室? でも夜はさすがに暗いわよね。ランプを持っていく様子もないし。

黙ってついていくと、まずエドガーの部屋に案内される。壁際にあるタンスをエドガーが力を込めて押すと、そこに小さなドアが現れた。


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