朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「これって」
「隠し扉」
「素敵」
絵本みたい。突然の隠し扉の出現にわくわくし、その中の階段をエドガーについて昇っていく。
楽しかったのは最初だけで、狭い螺旋階段はすぐに私をぐったりさせてしまった。はあはあと荒い息を吐きながらなんとか最上段までたどりつくと、またドアがあった。
エドガーがそれをゆっくり開ける。するとそこにあったのは……。
「わあ……」
ドーム状になった天井が透明になっていて、夜空に光る星々がキラキラと光っているのが良く見える。ここって、宮殿の最上階なのかしら。外から見たらただの飾り屋根のように見えていたけど、中がこんな風になっていたなんて。
「父が俺のために作ってくれた部屋だ。継母にいじめられたとき、よくここに逃げて星を見てた。こうやって」
丸い部屋に敷き詰められている絨毯の上に、靴を脱いで寝転がるエドガー。私も真似して彼の横に腰を下ろす。
「兵士の件は、なんとか調べてみる。信用できそうな者に事情を話してみよう」
「センテムとか?」
「……ああ、そうだな」
今一瞬間が空いたような? エドガーにとって、他人を信じるということはまだ抵抗があるのかも。
「ありがとう。あなたにはお世話になりっぱなしね」
「礼なんていらない。夫婦なんだから助け合うのは当然のことだろ」