朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「気のせいか」
夜を越えて戻ると変な感じがするものね。簡単に朝食を採り、新聞や本を読む。発音の練習もする。エドガーが間に合わなかったら、ひとりで謁見に臨まなければならないもの。ちゃんと勉強しておかなきゃ。
アミルカにいるボートレイト伯爵やお母様がこの姿を見たら何て言うかしら。信じられないと目を丸くする? それとも単純に感動してくれるかな。
忙しい時間はあっという間に過ぎ去り、すぐに昼になる。エドガーはなかなか戻ってこない。
「王妃様、申し訳ありませんがお一人で」
「え~、仕方ない……センテム、フォローしてね」
いつも助けてくれるエドガーが横にいない。それだけでとても心細くて、逃げたくなってしまう。けれど、既に待っている人たちを待たせるわけにはいかない。
長細い謁見の間に入ると、待っていた人たちが恭しく礼をする。陳情書や報告書を持ってきた人々の他に、それを後ろの方の席で傍聴しにきた人々もいる。私は背をぴしっと真っ直ぐにして自分の椅子まで歩き、礼をした。
「国王陛下は少し遅れております。今日のご意見は私から陛下に間違いなく伝えさせていただきますので、どうかご容赦ください」
それだけ言って、王妃用の椅子に座る。後ろにはルーシアとセンテムがいた。そういえばセンテム、今日はエドガーについていかなかったのね。彼には他の親衛隊がついていったんだろう。