朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「ああっ」
肩から指先まで痛みが走る。力の強い彼に抵抗する術はなかった。
どうして、センテム……。
「申し訳ありません王妃様」
「痛い! 離してよ!」
「あまり暴れないでください。抵抗されれば、私はあなたの足を折らなくてはなりません」
冷静な低い声に、ぞっとした。彼は本気だ。本能がそう思った。
「死刑だ!」
「この卑しいアミルカ女!」
貴族や大臣、傍聴人、そこにいた全ての人から罵声を浴びせられる。それはとんでもない恐怖だった。ここにいる誰もが、私を憎み、死を望んでいる。
ああ、エドガー。あなたは孤独だけじゃなく、こんな恐怖に耐えてきたのね。裏切り、憎しみ。そんなものを幼い頃から投げかけられたあなたは、どんなに怖かったことだろう。
幼いエドガーの気持ちを思ったら、涙がにじんだ。エドガー、エドガー。私は死ねない。死にたくない。あなたを一人置いて、死ねるものですか。私はあなたを裏切ったりしない。それだけは伝えなくちゃ。
「私は、国王陛下を愛しています!」
センテムにひねられた腕が痛い。それよりもっと、心が痛かった。
「私は、国王陛下を……エドガーを、愛しています!!」
誰も信じてくれなくていい。だけど、あなただけは信じて、エドガー。
謁見の間に響き渡るような大声で叫ぶけど、その声も怒号や罵声にかき消される。