朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
ぐるりと与えられた部屋を見渡す。天井も壁も薄い紫色で、白い小花柄がびっしりと描かれている。部屋の中央には花の形のガラス彫刻がふんだんにあしらわれたシャンデリアが。
窓は大きく、明るい光がたっぷりと差し込んでくる。繊細なレースのカーテンと私の髪と同じような薄いピンクのカーテンが金色のタッセルで留められていた。
壁際には天蓋のついたベッドが。一人で寝るにはじゅうぶんすぎるほどの大きさだ。けど、この乙女な部屋って……。
「私、ここで一人で寝起きするの?」
アミルカの両親……国王と女王もそれぞれ部屋があったけど、寝室は一緒だった。夫婦は一緒にいるものじゃないの?
そういえば別れ際にエドガーが『結婚の儀で会いましょう』と言っていた。あれって本気だったんだ。それまでに少しでも私の事を知ろうとか仲良くなろうだなんて、微塵も思っていないということか。
「結婚の儀が終わるまでは、ひとりで寝起きするのが普通でしょう」
「ひとりでいたら、仇討ちなんて」
できないじゃない、と言おうとした私の口をボートレイト伯爵が手で塞いだ。
「不用意な発言は控えなされ。ここは敵地のど真ん中ですぞ」
た、たしかに。どこから聞かれてるかわかったもんじゃない。こくこくと首を縦に振ると、やっと解放された。