朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「ああ、香水なら良い香りがするはずですわね。私が試してみましょう」
細くて綺麗な指が、瓶の蓋にかかる。
「やめて!」
親衛隊を押しのけ、オルティスタの元に走った。彼女の手から瓶を奪おうとする。けれど、彼女はなかなか手を離そうとしない。
「お願い、離して」
「そんなに必死になってどうしたのですか。そんなに開けられては困るものなのですか」
困るわよ。思いっきり困るわよ。ひどいとは思うけど、オルティスタの脛をハイヒールで思い切り蹴った。
「いたっ!」
痛みで顔を歪めた彼女から、毒薬の瓶を奪還する。
「そんなに必死になるなんておかしいですわね! やはり国王陛下を暗殺するための毒薬じゃありませんの?」
脛を押さえながら、大声で叫ぶように言うオルティスタ。そうだそうだと、また怒号を飛ばす群衆。私は瓶を抱えたまま、その場にうずくまった。
やっぱり悪いことはしちゃいけないのね。私は何度もエドガーを殺そうとした。だから罰が当たったんだ。
これからどうなるんだろう。いくらエドガーでも、国民がいる前でこんなことをされたんじゃ、ごまかしきれないだろう。アミルカに返されてしまうのかな。最悪、断頭台の露と消えてしまうのか……。
「お前たちの目的はなんだ、オーケン。王妃を陥れ、何を手にしようと言う」
エドガーが話すと、群衆が静かになる。