朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「王妃を陥れようとなんて、滅相もない。私たちはただ、国王陛下とこの国のためを思っているのです。そもそも、敵国の王女を婚約者として招くべきではなかった」
オーケンが憎しみのこもった瞳で私を見下ろす。
「国王陛下、ミリィ王妃は国のためにもあなたのためにも良くありません。所詮はアミルカの女。心の底ではまだあなたを憎んでいるに違いない」
「そんなこと……!」
そんなことないのに。どうしてそんなふうに決めつけるの。
「どうか、元婚約者であり、勇気あるこのオルティスタを妻に。賢く美しい彼女なら、ミリィ王妃よりもよほど立派にこの国を導いてくれるはず」
「結局、それが狙いか」
元婚約者……。私の前に、エドガーにはもう婚約者がいたんだ。そう言われてみればそれが自然だ。王位継承者だもの、前国王が選んだ許嫁がいてもおかしくない。それがオルティスタだったのね。だから舞踏会で私をにらんでいたし、たくさんの取り巻きがいたんだ。
「そうだそうだ」
「オルティスタ嬢の方が王妃にふさわしい」
もう、やったかやらないか、真実はどうでもいいみたい。強い疑念を与えてしまった私に群衆は冷たかった。そりゃあ元敵国の王女より、自国のお嬢さんの方が安心感はあるわよね。
でも私だって、今は本当にエドガーを愛しているの。この国のために、シャイレンドルフとアミルカの友好のために、頑張る気でいるの。でもそんなこと、どうだっていいのよね。伝わらないんだわ。悔しくて、涙が溢れる。