朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「そうはいくか!」
「王妃の潔白を証明しろ!」
「その瓶の中身をここで開けろ! 誰か薬師を連れてこい!」
物事がそうすんなり収まるはずはなかった。この瓶の内容が明らかにならないと、安心できないみたい。
「いいだろう」
何故かそう言ったエドガーは、油断していた私の手から簡単に瓶を奪う。
「あっ」
「俺が開けてやる」
「ダメよ」
いくら耐性を身に付けているからって、それはダメ。それは新種だし、下手したらこの近くにいる人が毒に汚染された空気を吸い込んで死んでしまう。私の言いたいことがわかったのか、エドガーはにっと笑った。
「皆の者、下がれ。親衛隊、王妃を押さえていろ」
国王の命令に背くものはいない。私は親衛隊に引きずられるようにしながらエドガーから引きはがされた。
「エドガー!」
「これで満足か、オーケン。センテム」
毒薬の瓶を天高く掲げるエドガー。誰もが緊張した面持ちで彼を見つめる。
「エドガー、やめて!」
あなたにもし何かあったら、生きていけない。叫ぶと、エドガーは優し気に微笑んだ。
「ありがとう、ミリィ」
「え……?」
「実はさっき、聞いていたんだ。俺を愛していると、叫んでくれた」
そこから聞いていたの? たしかにそのあとすぐ、助けにきてくれたっけ。
「センテムに俺を裏切ったと怒ってくれた。それでじゅうぶんだ」
「なにを……何が十分なのよ」
「お前が本当は俺を嫌いでも、俺はお前が好きだよ、ミリィ」