朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


長い指が毒薬の蓋にかかる。


「世界中の誰もがお前を嫌いでも、俺はお前を愛してる。お前は俺に、愛することと信じることを教えてくれた」

「エドガー……」

「たとえこのまま滅びても、後悔はない。その代りお前は生きろ。どうにかして生き延びるんだ」


どくんどくんと心臓が激しく鳴る。唇や指先が小刻みに震えた。

何を言ってるのよ、エドガー。私があなたを嫌いでも、ですって? バカ。結局私のこと、信じてなんかいないじゃない。自分が愛される人間だと、認めていないんじゃない。

一生守ると言ってくれた。あの言葉は嘘じゃないでしょう? こんなところで死んだら嘘つき呼ばわりしてやるわよ。


「お前だけは信じてたよ、ミリィ」


ぐっと瓶を持つ指に力が入る。その瞬間、体が勝手に動いていた。親衛隊の手からすり抜け、エドガーの元に走る。体当たりをしてぐらついたエドガーから、毒薬の瓶を奪い去った。

自分でもどうしてそんなことができたのかわからない。産まれて初めて風より早く走って、建物の隅に移動した。


「愛してるわ、エドガー。あなたがこんなことしなくてもいい」

「ミリィ、やめろ」

「だから信じて。私はあなたを愛してる。誰よりもあなたの幸せを願うわ」


私が持ち込んだ毒だ。彼を傷つけるくらいなら、ここで処分してしまおう。

死ねない。死にたくない。あなたを一人にはできない。でも、あなたが死んでしまうのはもっと嫌なの。


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