朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「愛してるわ、エドガー」
愛してるわ。美しい金の髪も、空のようなブルーの瞳も。口の片端だけ上げて笑う顔も、実はたくましい体も、頼りがいある横顔も。練兵場での訓練も、秘密の星空も。
あなたといられて楽しかった。短い間だったけど、あなたの妻になれて良かった。私も、あなたにたくさんのことを学んだよ。
ありがとう……エドガー。
ぐっと指に力を込め、瓶の蓋を思い切り抜いた。
「ミリィ!」
エドガーが私を呼ぶ声が聞こえる。瓶の中身が乳白色の気体になったのを見た途端、頭に靄がかかったみたい。ふらつく足をどうにもできず、無様に転んだ。
「くそ、遅かったか!」
「ミリィ様!」
あら……あれはラッセルとボートレイト伯爵? ふたりとも遠くにいるはずなのにどうしてここに……。
視界が霞む。全身がしびれて動かなくなり、床に倒れ込む。息が苦しくなり、喉を掻きむしる。エドガー。あなたはこんなに苦しい思いを、何度もしたのね。
こんな妻でごめんなさい。どうか元気でいてね。愛してるわ、エドガー……。
乳白色の気体が霞んだ視界に写る。まるで天国の雲の上みたい。もう、何も聞こえない……。私は自分の最期を感じ、そっとまぶたを閉じた。