朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
ちなみにボートレイト伯爵は、以前のように世話人として私の傍に仕えてくれるようになった。お母様がエドガーの動きを監視するとともに私の補佐をしてやれと言ってくれたらしい。
完全に二国の確執が氷解したとは言えないけど、一歩ずつ良い方に進んでいる。私はそう信じている。
「元財務大臣オーケン、並びに長女オルティスタは王妃の暗殺未遂罪で宮殿から追放。懲役十五年の刑に処する」
オーケンとオルティスタは証言台に突っ伏してわあっと泣きだした。
うう……ちょっとだけ罪悪感。結果的に失敗したけど、私も国王の命を狙っていた張本人だもの。自分だけ何のお咎めもなく、これでいいのかという気はする。
「余計なことを考えるな。お前が俺のそばにいた方が国のためになるんだから。過去の清算をしたいなら、せっせと働け。俺に尽くせ」
なんて言いぐさ……。国民向けに爽やか笑顔を作ってるけど、やっぱりエドガーは今日も意地悪だ。
「親衛隊長センテムは王妃の暗殺未遂には関わっておらず、同情すべき点も多い。隊長の任を解き、鉱山で労働することを命じる」
オーケンの隣に立っていたセンテムは、そっとまぶたを閉じた。結局彼は結婚の儀式が終わった何日か後にオルティスタに力を貸してくれと言われ、断れなかっただけみたい。特に良い条件を持ちかけられたわけでもなさそうで、それだけ彼はオルティスタが好きだったんだろう。そう思うとちょっと胸が苦しい。
オルティスタはオルティスタで、泥棒みたいな真似をしてもエドガーを取り戻したかった。権力のためか愛のためか確かめようもないけど、彼女からしたら私は確実に悪者だろう。
とにかくセンテム。彼は目撃者が内輪だけならもっと寛大な処置にしてあげられたかもしれない。けれど司法が下した判断は厳しいものだった。