朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「オーケン親子に加担してお前を処刑台に送ろうとしたと言えば、懲役にかけられても仕方がない。鉱山の仕事はキツイが、自由の身でいられるだけマシだろう」
そう言うエドガーの横顔は平静を装っているけど、やはりどこか寂し気だった。
「平気?」
他人に裏切られることに敏感なエドガーが、今回の事件で一番傷ついたんじゃないかしら。そっと証言台の下で手を握ると、彼はうなずいた。
「俺もセンテムとお前を天秤にかけたら、きっとお前を取るだろう。あいつのことは責められない」
でも、唯一友と呼べそうな人を失うんだもの。辛くないはずはない。そして女の私では、きっとセンテムが開けた穴は埋められない。自分の無力さに悔しくなる。
「いつか、また会える。真面目に何年か働いたら、宮殿に呼び戻してやろう」
「そのころには鉱山のふもとで幸せに暮らしてたりしてね。奥さんと子供がいたりして」
「それならそれでいい。視察と称して遊びに行こう」
真っ黒に日焼けしたたくましいセンテムが、たくさんの子供に囲まれている絵がまぶたの裏に浮かんで微笑ましくなった。愛する人のため、彼も命をかけようとした。その人をすぐに忘れることはできないだろうけど、どうか彼の心が救われますように。いつか幸せになってくれますように。
みんなから見えないように繋いだ手に、力を込める。するとエドガーも、強く握り返してくれた。