朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
裁判が終わり、宮殿は落ち着きを取り戻した。私はまだ王妃という地位に慣れないまま、必死な日々を送っている。
「ねえ、エドガーはどこ?」
宮殿内にエドガーの姿が見えない。今日はどこにも行かず、のんびり過ごせるはずなのに。ルーシアに聞くと、彼女はうーんと考えるように天を仰いだ。
「たしか、お庭の方へ向かわれましたよ。温室かもしれませんね」
ああ、まだ私を入れてくれない秘密の花園ね。この機会に行ってみようかしら。意地悪な彼だけど、近づいたくらいで怒ったりしないと……信じよう。大丈夫だよね、うん。
ルーシアに教えてもらい、花の咲き誇る噴水庭園を通り、敷地の端っこへ。背の高い木々や野生っぽく植えられた茨に隠されるようにして、その建物はあった。
全面がガラスの、小さな温室。其の中に金色の影がちらちら動いている。エドガーの金髪だろう。
音を立てないようにして、そっと近づく。そうしたら中から私の存在に気づいたのか、エドガーが温室の扉を開けた。
「見つかったか」
苦笑する彼に怒っている様子はなかった。ホッとして微笑むと、彼は私を温室の中に招き入れてくれた。むせかえるような花の甘い香り。どこからか風が送られてくるみたいで、暖かいけど蒸し暑いというほどでもない。