朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「お前の部屋に飾る花を選んでいたんだ」
「わあ、すごい」
温室の中は、色とりどりの花が見事に咲き誇っていた。庭園に咲いているのとは違い、一輪一輪手がかかっているのだろう。花が大振りで、少しの風雨で落ちてしまいそう。見惚れながらゆっくり歩くと、見覚えのある花を見つけた。
「このお花、あのお風呂に浮かべてくれた花弁のお花ね。こんなに大切に育てているのに、あんな使い方をして良かったの?」
「花にも寿命がある。お前が喜んでくれるなら、あれくらい構わない」
そこの一帯だけ、花の数が少ない。きっと私が使ってしまったからだろう。お前が喜んでくれるなら……なんて。時々突然そんなセリフを吐くんだもの、うっかりときめいちゃうじゃない。卑怯だわ。
「ここはいつからあるの?」
「俺の母がこの国に嫁に来た時に父が作ったものだから……随分古いだろう」
「お母様って、異国の人だったのね」
それは知らなかった。こんな素敵な温室を作ってもらえるなんて、よほど前国王に愛されていたのね。
「ああ。最初は二人とも気に入らない婚約で反目していたんだそうだが、いつの間にか惹かれあったんだと」
「素敵な話」
花に埋もれるようにして置いてある椅子に腰を下ろす。エドガーは私を見下ろしたまま微笑んだ。ガラスを透過した光が彼の金髪に反射し、虹のように様々な色を写す。