朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令


でも、私が危険な目に遭いそうなのに気づいて、すぐに助けてくれた。城から出ないように言われたのも、盗賊が横行しているからだった。

……この人、口は悪いけどそんなに悪い人間じゃないのかも?

そんなことを考えてしまい、ふるふると首を横に振った。

迷っちゃいけない。私は人質だから、死なれたらまずいのよ。きっと、それだけ。

この人を殺さなきゃ、お母様がどんなにがっかりされることか。愛する父上を失った悲しみから這い上がれなくなっちゃう。お母様やお兄様の期待に応え、任務を全うする。そしたらもう一度戦争をして勝って、アミルカを再建して、もっといい国にするの。

私はアミルカ王家の王女だもの。それが私の国民に対する責任なんだから……。

そう自分い言い聞かせながら、まっすぐ前だけを見て宮殿を目指した。エドガーの美しい顔を見れば見るほど、彼の色んな顔を知れば知るほど、決意が揺らいでしまう。

そんな気がしていた。

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