朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「怒ってたわ。あとでお説教だって」
「まあ。では何か陛下のご機嫌が直るようなものを用意しなくては。お部屋にいらっしゃるなら、お菓子とお茶が要りますわね。一番良いドレスも用意しなくては」
いそいそと準備に走りだしそうなルーシア。そんな彼女の言葉で、ぱっと閃いた。
「ドレスは何でもいいわ、ルーシア。それより手伝ってほしいことがあるの」
「はい? なんでしょう」
「それはね……」
こそこそとルーシアに耳打ちする。私の作戦を聞いた彼女は、こくんとうずいた。
「それはようございます」
よし、さっそく作戦決行よ。覚悟なさい、エドガー。あなたに怒られる前に、こっちがやってやるから。
ひと休みしてから私がルーシアと共に向かったのは、宮殿の王族や使用人の食事を用意する厨房だった。渡されたエプロンをつけ、長い髪を三角巾で覆う。
ちなみにボートレイト伯爵は客間で留守番中。他にやるべきことを頼んでおいた。
「小麦粉、卵、ミルクにバター。必要だと思われるだいたいのものはご用意しました」
「ありがとう」
「この者たちがお手伝いします」
ルーシアがパンパンと手を打ち鳴らすと、厨房の隅から使用人の女性たちが現れた。みんな質素なドレスにエプロンをつけ、キャップで頭を隠している。厨房専任の女性たちだろう。