朝から晩まで!?国王陛下の甘い束縛命令
「お前も座れ」
エドガーは迷うことなく部屋の奥のソファに腰かける。
「陛下、お茶はいかがですか」
「ああ、もらおう」
日暮れからずっとランプで温め続けていたお湯をティーポットに注ぐ。
「緊張しているようだな」
気づかれた!? 冷静を装ってティーカップを持ったまま、ちらりとエドガーの表情をうかがう。その顔は落ち着きはらっていた。怒っているようには見えない。
「安心しろ。俺は女を殴ったり、怒鳴りつける趣味はない」
ん? ああ、私が勝手に宮殿を抜け出したことに対するお叱りを恐れていると思っているのか。さすがのエドガーも、どんくさい、マヌケだと馬鹿にしている私が自分を殺そうとしているとは予測できないみたいね。
「それを聞いて安心しました」
作り笑顔を浮かべ、エドガーの前にカップを置く。このお茶の中に毒を入れれば簡単だけど、本人に見えてしまったら元も子もないものね。
「これも、どうぞ。私が作ったんです」
「お前が?」
焼き菓子を載せたお皿を運ぶと、エドガーが疑わしそうな目で私を見た。
「お前、料理なんてできるのか」
「し、失礼な。少しくらいは母に教わりました」
「へえ」
エドガーはじっと焼き菓子を凝視すると、ひとつつまんだ。